組分けテストの結果が出て、コースが下がった。お子様は何も言わず、保護者様のほうが落ち着かない。中学受験のご家庭で、いちばん多いご相談のひとつです。
最初に申し上げておきたいのは、コースが動くこと自体は、仕組みの上で起きるようにできているということです。SAPIXでは、コース分けやコースの昇降にかかわるテストが、4年生から6年生では約1か月に1回のペースで実施されます。1年のうちに何度も上下する子のほうが、むしろ多数派です。
大事なのは、下がった事実ではなく、その原因がどこにあるかです。原因によって、次にやることがまったく変わります。この記事では、原因の見分け方と、結果が出てからの1週間でやることを順にご説明します。
SAPIXの公式サイトでは、コース分けやコースの昇降にかかわるテストについて、1年生から3年生は約2か月に1回、4年生から6年生は約1か月に1回実施すると説明されています。組分けテストは年3回の実力テストで、その得点によってコースが決まります。
つまり、1年間に10回以上の昇降の機会があるということです。上がることも下がることも、前提として組み込まれています。1回の結果でお子様の力が測り切られたわけではありません。
とはいえ、下がったという事実には意味があります。放っておけば次も同じ結果になります。必要なのは、落ち込むことでも叱ることでもなく、原因を1つに絞ることです。
合格王子下がったこと自体より、なぜ下がったかが分からないままなのがいちばん困るんだ。
SAPIXのテストは、大きく2つの性格に分かれます。学習の定着を確かめるものと、実戦的な力を見るものです。公式サイトでも、確認テストやマンスリーテストのような昇降テスト・復習テストと、組分けテストのような実力テストとに分けて説明されています。
| テストの性格 | 見ているもの | 下がったときの読み方 |
|---|---|---|
| 範囲のある確認・復習テスト | 直前に習った内容が定着しているか | その期間の復習が回っていない。原因は直近の数週間にあります |
| 範囲のない実力テスト(組分け) | それまでに積み上げた力の総量 | 前の学期や、もっと前の単元に穴が残っています |
ここを混同すると、対策を間違えます。範囲のある確認テストで下がったのなら、直前の数週間の学習の回し方の問題です。ところが組分けのような実力テストで下がった場合、直近を頑張っても戻りません。もっと前に原因があるからです。
お子様の結果を見るときは、まずどちらの性格のテストだったかを確かめてください。そのうえで、答案を開きます。
答案を見ると、下がった理由はたいてい次の3つのどれかに当てはまります。複数が重なっていることもありますが、いちばん失点の大きいものから手をつけます。
組分けで崩れる3つの型
前の単元の穴
前半の基本問題を落としています。範囲がない分、以前の単元がそのまま出ます。戻る作業が必要です。
処理の速さ
解けるはずの問題が後半で白紙。時間が足りていません。学力ではなく、解く順番と捨て方の問題です。
ミスの積み重ね
全体に薄く失点。転記ミス、単位、条件の読み落とし。1問ずつは小さくても、合計すると順位が動きます。
とくに見落とされやすいのが2番です。後半が白紙だと「難しくて解けなかった」と見えますが、家で時間をかけて解かせると解けることがあります。この場合に必要なのは新しい勉強ではなく、時間配分の練習です。
お子様の答案を開いたら、点数の欄は見ないでください。見るのは、どの大問のどこで手が止まったかです。
算数なら、前半の計算と一行問題で何点落としているか。ここでの失点は、後半の大問1つ分より重いことがあります。国語なら、記述の空欄がどこから増えているか。理科と社会なら、知識問題と資料の読み取りのどちらで落としているか。
この見方をすると、同じ得点でも中身がまったく違うことが分かります。前半で落としている子と、後半に届かなかった子では、次の1か月にやることが正反対になります。
合格姫前半を落としている子は、難しい問題をやる前に、基本を1周し直すほうが早く戻るの。
テストの解き直しは、鮮度が落ちると効きません。問題の内容を覚えているうちにやるから、自分の考え方のどこがずれていたかを思い出せます。次の順番で進めてください。
解き直しは1週間以内に。この順番で
選ぶ基準は、正答率です。多くの子が正解している問題を落としているなら、そこは埋めるべき穴です。逆に、正答率の低い問題を落としていても、今のコースでは気にしなくて構いません。優先順位を間違えると、時間だけが減ります。
解き直しが終わったら、次のテストまでの1か月をどう使うかです。SAPIXは毎週の授業量が多いので、新しいことを足す余地はほとんどありません。今ある教材の回し方を変えるほうが現実的です。
1週間の型を決めてしまう
大切なのは3番です。範囲のない実力テストで点を作るのは、直前の詰め込みではなく、毎週1問ずつ積み上げた前の単元の復習です。多くのご家庭が、その週の宿題を終わらせることで手いっぱいになり、ここが抜けます。
宿題が終わらない場合は、量を減らす判断をしてください。授業で扱った基本問題を確実にするほうが、応用問題に手をつけて中途半端に終わるより点になります。どれを外すかは、塾の先生に相談すると具体的に教えてもらえます。
返却される成績表には、得点のほかに平均点、偏差値、順位、設問ごとの正答率が載っています。保護者様が見るべき順番は決まっています。
順位と偏差値だけを見て一喜一憂しても、次の手は決まりません。設問別の正答率まで下りて初めて、やることが1つに絞れます。ここを見る習慣をつけると、テストのたびに次の1か月の使い方が決まるようになります。
もうひとつ、結果について長く話し合わないほうがうまくいきます。次にやることを1つ決めたら、そこで終わりにしてください。話が長いほど、お子様はテストを隠すようになります。
これは慰めではなく、実際にそうなのでお伝えしておきます。コースが下がると、授業で扱う問題の難度がお子様の今の力に近づきます。
上のコースで、授業中に解けない問題ばかりを見ている状態は、実は伸びにくい状態です。解ける問題を自分の手で解いて、正解する経験を積むほうが、基礎は早く固まります。今のコースの授業を完全に消化することを目標にすると、次のテストで戻れることが多いものです。
逆に、上のコースに在籍し続けること自体が目的になると、家庭学習が「授業についていくための作業」になります。宿題を終わらせることが優先され、定着しないまま次に進む。これがいちばん避けたい形です。
お子様は、保護者様が思っている以上に結果を気にしています。とくに友達と同じコースでなくなった場合、口には出さなくても応えています。
最初のひとことは、結果への評価ではなく事実の確認にしてください。「どこが解けなかった」「時間は足りた」。この2つなら、お子様も答えられます。「なんで下がったの」と聞くと、答えようがないので黙るだけです。
そして、次にやることを1つだけ決めて終わりにします。解き直す問題を3問選ぶ、それだけで十分です。やることが1つに決まると、お子様は動けます。5つ並べると、どれも始まりません。
もうひとつ。中学受験は3年前後の長い期間の取り組みです。途中の1回のテストで気持ちが折れると、残りの期間が苦しくなります。結果の受け止め方を教えることも、この時期の大切な指導のひとつだとお考えください。
この学年は、コースの上下に一喜一憂しないほうがうまくいきます。まだ学習量も内容も増える途中で、伸びる時期にも個人差があります。見ておきたいのは、授業の内容を家で説明できるかどうかです。説明できていれば、結果は後からついてきます。
もっとも内容が重くなる学年です。割合、速さ、比、図形の応用が続き、ここでの穴が6年生まで残ります。5年生でコースが下がったときは、直近の単元だけでなく、割合と比に戻れているかを確かめてください。この2つは、6年生の問題のほとんどに関わってきます。
時期によって対応が変わります。夏までなら、戻る作業に時間を使えます。秋以降は、志望校の出題に合わないところまで戻る余裕がありません。過去問の結果とあわせて、どの単元を捨てるかを決める判断が必要になります。ここは一人で抱えず、塾の先生に相談してください。
コースの上下は、そのまま志望校の合否を表すものではありません。コースはその時点の得点による区分であり、入試で問われる力とは重なる部分もあれば、そうでない部分もあります。
学校によって、出題の傾向は大きく違います。長い問題文を読ませる学校、処理の速さを問う学校、記述が中心の学校。お子様の得意な形と合う学校であれば、コースが上でなくても合格する例は珍しくありません。逆に、コースが上でも出題との相性が悪ければ苦戦します。
6年生であれば、志望校の過去問との相性を早めに確かめておくほうが、コースの上下を追いかけるより意味があります。4年生、5年生のご家庭は、まだ相性を見る段階ではありませんので、目の前の単元を確実にすることに集中してください。
保護者様が見ておきたいのは、コースの数字ではなく、お子様が前より解けるようになっているかどうかです。同じ単元のテストを2回受けて、2回目のほうが解けていれば、力は上がっています。
SAPIXの授業は進度が速く、質問の時間も限られます。お子様がどこでつまずいているかを、その場で見てもらえる時間は多くありません。
ご家庭でフォローしようとすると、今度は解き方の違いが問題になります。塾で習った手順と保護者様の教え方が違うと、お子様は混乱します。とくに算数は、比を使う解き方と方程式のような解き方が混ざると、テストで手が止まります。
家庭教師を併用される場合は、塾の教材をそのまま使って指導できるかどうかが選ぶ基準になります。新しい教材を足すのではなく、今回のテストの解き直しと、次の授業の予習復習を回すために使う。この形が、いちばん結果に結びつきます。
家庭教師の合格王は、塾に通われているお子様のフォローを数多く承っております。SAPIXにお通いの場合は、テキストと今回のテストをそのまま使い、解き直しと戻る単元の指導を行います。新しい教材は増やしません。
指導は完全1対1です。お子様が手を止めた場所をその場で確かめられるので、戻る単元を早く特定できます。SAPIXにお通いの方へのコースでは、塾の進度に合わせた組み立て方をご説明しています。
合格王は2004年創業、首都圏に16,000人の家庭教師が在籍しています。完全月謝制で教材費は0円、先生の交代は何度でも無料です。費用の詳細は料金ページをご覧ください。無料体験はかんたん30秒でお申し込みいただけます。お電話(0120-041-590、受付13:00〜22:00)でもどうぞ。
この記事は、次の公開情報をもとに作成しました。
テストの種類、実施回数、コース分けの頻度は、SAPIX小学部の公式サイトの記載にもとづいています。運用は学年や校舎、年度によって異なる場合がありますので、詳細は在籍校舎にご確認ください。この記事は塾の公開情報をもとに、家庭でのフォローの考え方をまとめたものです。